プロジェクトX「技術者魂 永遠に〜新ロータリーエンジン・革命車に挑む〜」(NHK総合_火曜21:15〜22:00)

 平成15年、新発表のスポーツカーに搭載された1台のエンジンに世界が瞠目した。その名は《ロータリーエンジン(RE)》。かつて、広島の自動車メーカー「マツダ」が開発した、小型で高出力の革命エンジンである。世界の自動車史に残る革新技術と絶賛され、「会社の魂」とまで言われた「RE」。だが、バブル崩壊による業績悪化と外資による経営再建の中、利益の出ないい「RE」は存在すら認められなくなった。
  その時、立ち上がったのは30代の若き技術者たち。「技術を俺たちの手で受け継ぐ」エンジン復活と技術者たちの意地をかけた闘いが始まった・・・。

 久しぶりにプロジェクトXを見た*1。既報では12月をもって放送を終了することが決まっており、今回がレギュラー放送としての最終回でロータリーエンジン開発の最終章でした。
 10A→12A→13Bと進化を続けル・マンを制したロータリーエンジンも、マツダが赤字に陥りフォード傘下になった途端にリストラ対象なる。開発途絶を惜しむエンジン開発技術陣は次世代ロータリーエンジンとその搭載車の開発を密かに始める。正規の予算がある訳ではないので廃棄寸前のロードスター(NA6)にテストエンジンを搭載*2走行&燃焼テストを繰り返しフォードから出向してきた経営陣に正式な開発を認めさせて新型ロータリーエンジンレネシス』と搭載車『RX-8』を世に送り出すことに成功しました。


 レネシスは基本的には13B型エンジンですが、サイドポート吸気&サイドポート排気とすることで吸排気のオーバーラップをなくすとともに、吸排気ポートを30%拡大しています。より効率のいい吸排気タイミングとすることで、高出力化と省燃費化の両立を可能にしたという。また、エンジンの仕様はハイパワーとスタンダードの2種類があり、ハイパワーは250ps&22.0kg-m、スタンダードは210ps&22.6kg-mのパワー&トルクを発揮しています。ちなみに、RX-8の車量は出力に関係なく4速ATが1330kg、5速MT及び6速MTが1310kgだそうです。
 FD3Sに搭載された13Bがターボ加給で最終的に280PSに達したのに比べると250PSは物足りない気もしますが、NAで250PSまで出してみせるのは単純に凄いと思います。ターボ加給を捨てたのは、燃費向上と重量バランス改善*3、冷却効率改善*4のためと思われます。
 数多くいるマツダオーナーは、フォード傘下になってから遠ざかっているモータースポーツへの再挑戦を希望しているんですけど、どうもフォードが了承してくれないらしいです。
実際のところ、WRCのフォード・フォーカスWRCの06年モデルのベースは「アテンザ」なんですけどね(笑)


 番組の内容は2002年7月21日に放送された日本テレビ_NNNドキュメントマツダ・再生への道〜日米自動車野郎たち〜」と同じ内容で、エンジン設計の田島氏、当時のマツダ経営陣へのインタビュー、エンジン部品メーカー「マイクロテクノ株式会社」への取材と被っていることが多く目新しい事項も無いので、この番組から拝借したのではないかと思いました。


 ロータリーエンジンと言えば『RE雨宮』と『よろしくメカドック那智』を思い出すのは30代以上ですかね?

*1:基本的には自動車関連の回しか見ないので

*2:NA6に乗っていた時代に中規模のオーナーミーティングに行くと必ず2人はロータリーに換装している人がいました。900キロの車重にハイパワーの「13B+ターボ加給」は恐ろしく速かったです。

*3:REはエンジン搭載位置が高いので、バランスを崩す重量物となりかねないタービンは排除されたと思われます。

*4:実際のところREはもの凄い発熱でFCやFDのチューニングではラジエータインタークーラーの大型化が悩みのタネになるそうです。冷却装置の大型化はオーバーハングの重量増に繋がるので・・・