「世界最速のインディアン」(wowow_11:50〜14:00)

【ストーリー】
1960年代ニュージーランド南端の小さな町インバカーギルにある小さな家に一人暮らしのバートは今日も暗いうちから起きてバイクを轟かせる。少し近所迷惑なこのバイクは、1920年型インディアン・スカウト。
彼の夢はこのインディアン号でライダーの聖地、アメリカ・ユタ州のボンヌヴィル塩平原で行われる大会で世界記録に挑戦すること。60歳を過ぎ、年金暮らしの彼には夢のような話だが、このまま夢で終わらせたくない、と決心を固めたバートはインディアン号とともにユタ州へ向かう―。


【感想】
本作品は伝説のライダー「バート・マンロー」の最高速チャレンジを題材にした実録モノ映画です。最近は外国映画の最も多いジャンルなんだそうです。日本公開が2007年2月とチョット微妙な時期だったのか興行成績はあんまり良くなかったとの話を聞いたことがありますが、コレは2007年に鑑賞した劇場公開作品では良作でした。つまり今回は2回目の鑑賞ということです。
名優「アンソニー・ホプキンス」は「レクター教授」などの神経質な役が思い浮かびますが、この作品で演じるバートはチョット風変わりで陽気な爺さんに拍子抜けします。だがコレがもの凄くイイのだ!
全財産を叩いて地球の反対側からやってきたバートに皆が少しずつ惹かれていく描写が何とも微笑ましかった。この映画に出てくる人々は皆善良で、大なり小なりバートに手を差し伸べてくるのだ。もちろんバートはそれを遠慮無く受け入れる(笑)
紆余曲折を経て物語終盤で遂に彼のインディアンがボンネビルの平原を疾走する。CGで処理されているとはいえ、白い平原を疾走する真っ赤な流線型はとても美しかった。特にこのシーンは映画館の大きなスクリーンで観ると鳥肌モノだったのを憶えています。
ライディングスーツも安全装置も無しで疾走する彼は些か自殺願望者にも捕らわれるが、そこは漢のロマンで勝負だよなと思った。
あと、難点をいわせてもらうとすれば、スピード表示は無理にキロメートルではなくマイル表示にしておくべきだったと考えてしまう。何故ならバートの目的が200マイル越え(時速320キロくらい)なんだから、その目的が呆けてしまうでは無いかと思うんですよ。
見終わって一言「ジジイ格好いいぜ!」な一本でした。