「デッドゾーン」（NHK-BS）

　「デッドゾーン」がNHK-BSで放送されていた、1985年にカナダで製作された映画で日本では未公開だったが1987年にビデオ化されて一部の人達の間で随分と話題になったのは記憶の片隅にあった。後に「ザ・フライ」で注目を浴びるクローネンバーグ監督の作品であるのを忘れてはいけない事である。
　ストーリーは、交通事故で５年間も昏睡状態だった男が失った時間の代わりに人の未来が見える能力を得て苦悩する。かつての恋人との再開を経て未来に大統領になる男の正体を知った時に殺害を計画するが失敗に終わるが、結局は政治生命を絶つことに成功する（未来を変える事ができた）。
　クローネンバーグ監督の作品に共通する「尋常じゃない力を得た人の悲しみと滑稽さ」というテーマの源流を見たような気がする。ある意味でＢ級ＳＦ映画なんだがプロットに破綻があまり見うけられないしクリストファー・ウォーケンの押さえた演技が好印象だった。皆とは言わないが判る人には見て欲しい映画だと思う。

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