「地獄の黙示禄 特別完全版」(NHK-BS)

 民放では放送できそうにない映画を流すことができるのがNHKの強みで、この作品もその上映時間の長さからBSでの放送となったようだ。
 私みたいな人間が言わなくてもわかると思うけど、「ゴッドファーザー」と並ぶフランシス・F・コッポラ監督の代表作ですね。
 戦争を描く映画としては後に制作される作品に多大なる影響を与えたことは過言ではないと思わます。
 この作品を見るのは劇場公開時(2002年1月)以来となるが、感想は一言で表わすなら「難解な映画」に尽きる。
 ストーリーは米国陸軍のウィラード大尉の回想として話は進みます。ベトナム戦争末期に軍を離脱して、カンボジア国境に王国を築いたカーツ大佐を殺害するよう命令を受ける。
 ウィラード中尉率いる小隊は哨戒艇で河を遡って行く、その旅の途中で混沌と無秩序の世界に迷い込みながらも王国へと辿り着くが・・・
 物語の終焉についてはOPに流れるドアーズの「THE END」という曲に暗喩されているような気がする。

 公開当時もアフガンで戦争中だったが、東西冷戦が終わって10年以上経つ現在もイラクや世界各国で戦争や紛争が起こっている。そして我々が住む極東アジアにもその火種が燻っている。
ちなみに特別完全版とオリジナル版(1979年)との大まかな違いは以下の点

・上映時間でオリジナルの153分に対して203分と尺が長くなった。
・オリジナル版にはないシーンやエピソードの挿入
・最終的に短くカットされた芝居やシーンなどが復活
・エンドロールから破壊されてゆくカーツの王国のシーンがカットされた。


 地獄の黙示禄にはメイキング映画「ハート オブ ダークネス」が存在しており機会があったら見てください。この作品に監督がどれほど入れ込み、そして苦悩したかが解りますよ。