衛星映画劇場「三匹の侍」(NHK_BS第2 20:01〜21:40)

先日亡くなられた丹波哲郎氏を追悼して氏の代表作が放送された。
阿部桂一柴英三郎とTV時代劇「三匹の侍」の監督を担当した五社英雄が共同でシナリオを執筆、五社英雄が監督した。
【ストーリー】
旅の浪人・柴左近は重税に苦しむ農民に加担し、悪代官と対立する。当初は代官の部下であったが、事情を知った2人の浪人、桜京十郎と桔梗鋭之助も味方になり、3人の侍が役人たちを豪快に斬る姿を描く。

【感想】
TVシリーズの延長線上として作成された劇場映画の先駆けと言えなくもないが面白いので文句は無い
颯爽とした丹波哲郎、ニヒルで女好きな平幹二郎、田舎侍の長門勇とキャラが立っていて判りやすく紆余曲折を経て悪に立ち向かう筋立てはお約束なワケだが、普通この展開なら悪を懲らしめて人々に感謝されながら流浪の旅に出るという顛末を考えガチだ。
ところが決死の覚悟で村長が書いた訴状を守った三匹を待ちかまえたのは、「百姓は戦わない」という結末だった。
訴状を御上に差し出せば死罪は間逃れない事実があるのだから、腕の立つ浪人にアジられたところで彼等を奮い立たせることは出来るはずもない。
どちらも悪いわけではなくそれぞれの立場の問題なのだから致し方ない話だと思った。
善意が報われるとは限らないという苦い思いを胸に三匹は砂煙舞う街道へと消えていった。